マルガリータの瞳

チェレステにやられる毎日。

初めてヒルクライムした話 (追記版)

f:id:cheleste:20170118004007j:plain2017/1/17 大幅に追記修正

とある8月の土曜の午前4時。
僕は駅前で慣れない輪行の準備を必死にしていた。
輪行をするのは納車の時以来なので
やり方はほぼ覚えていなかった…。
解体は慣れたものだがその先が未知の世界。
どうしてこうなったか、三日前に遡る。

ロードバイクを買ってから早2ヶ月。
それなりにロングライドをしてはいるものの、
イマイチ上達しているか分からない。
そんな時、兄からこんな言葉を貰う。
「お前のケイデンス低くない?」
何故かケイデンスは一切計測してなかったので
低いとか高いとか意識していなかった。

回せばええんやろ?簡単やん?
と思ってたがこれが結構難しく中々回らない。
どうしても尻が跳ねまくって面白い乗り方をしてる変な人になる。
僕は行き詰まった。
自転車ってどう乗るんだっけ?理想のペダリングって何?

会社で休憩中、
いつものようにロード関連のブログをぼーっと眺めていると峠に行ったレポートが結構面白いということに気付く。
これだ。ヒルクライムだ。
ちょっとした坂なら何度も走ったことはあるが
本格的なヒルクライムはしたことがない。
もしかしたらペダリングのヒントが見つかるかもしれない。
見つからなくてもヒルクライムは面白そう…。
いずれはレースに出るのだしそろそろ経験しても悪くはない。
ということでかの有名なヤビツ峠に行くことにした。
その時は一番初めに登るならヤビツ、とやたらどこかのブログで推されていたので平均勾配とか獲得標高とかは見ずに即決だった。
見てもよく分からなかっただろうけど。

話を冒頭に戻す。
今考えれば家で輪行の準備をして
最寄り駅から行けばいいものの、
欲張ってJRの駅から行こうとしたのがアホだった。
結局死ぬほど時間がかかって
電車を3本くらい逃した記憶がある。
徹カラ明けのリーマンと大学生に
「何やこいつ…」って見られながら汗まみれでやってたなあ。

そんなこんなで電車に揺られて数時間、秦野駅に。
8時くらいだったせいかローディ全然居なかった。
駅前でいそいそと輪行解除してたら清掃のおばちゃんに声をかけられジュースを奢ってもらった。
今度来たときは何かお土産持っていこうと固く心に誓ったのをよく覚えてる。
ヤビツ目当てだと伝える前にヤビツでしょ?と聞かれたのでやっぱりみんな来てるんだなーと思った。

そして一番びっくりしたこと。
おばちゃん「高校生?」
僕「…(絶句) 一応社会人です」
おばちゃん「社会人…(絶句)」

多分夏休み期間でめっちゃ日焼けしてたからそう見えたんだろう(適当)
前に大家さんから大学生だと勘違いされたことはあったけど高校生て…

最終的には麦茶をボトル一杯にくれた。
最初は怪しすぎてチャリンコパクられるかと思ってたけどありがとうございました。
おばちゃんから教えてもらったヤビツへの道をガン無視し(説明が分かりにくかった)、ヤビツの入り口にある有名なコンビニに。

ネットでよく見てた画像を生で見るとテンション上がる。
そしてそのまま進んでいきちょっとしたら一番勾配がきついところに。
その時はそこが一番きついとは知らなくてめちゃくちゃ絶望した。
ハイキング?の人には負けられねえ…と頑張ったけどそんなに変わらないスピード。
確か5km/hくらいしか出てなかったな。
何よりもダンシングした方が遅いやんけ!ってびっくりしたなー。

何とか凌いでもヤビツはまだ続く。
当然ペースはガバガバ、脚はガチガチ、心拍数も見たことのない数値を叩き出してて自転車ってこんなにキツイんか…と軽くカルチャーショックだった。
その辺りの心拍数を2ヶ月後にはよく見ることになるとは夢にも思わず。

登り始めた時間は早かったが流石にスローペースなので数名のローディに抜かされる。
何とかついていこうとするが無理。速すぎてプロかと思った。
今思うとリュック背負って登ってるやつが頭おかしいとしか思えない。
この頃は例え20kmしか走らなくてもリュックを背負って走るのが当たり前のスタイルだったのだよ。

何度も何度も脚を付こうと思ったが、
何の為に来たのか分からなくなるので耐えた。
まあアリンコより遅いペースだったから途中で休んだ方が速かったよ!!!!!
10秒に1回くらいダンシング(多過ぎ)しながら淡々と踏み続け、頂上までもう少しのところでようやくリズムが掴めてくる。
リズムが掴めると多少楽になる。いや全然楽じゃないけど登りやすくなる。
そして頂上はよこいやと思いながら力を振り絞る。
実質死体の状態でゴール。

うわー登れたよ俺。まじかー。
みたいなことしか考えられなかった。
達成感よりも疲労感が物凄かったけど妙な高揚感があった。
それはたった一人で脚を付かずに登りきれたからなのか、単純に疲れすぎて頭がおかしくなってたのかよく分からないけど。
でも間違いなくあの時感じた何かは今に繋がってると思う。
途中でぶん投げたこの記事も追記することもなかった。

まあタイムは1時間を余裕で越えてた気がするけどね!!!

その後初めてのダウンヒル
楽しすぎて何度もカーブで死が見えた。

下山後、どうしようかなーと考えて自走で帰ることに。
ヘロヘロの状態だったけどテンションがめちゃくちゃ高かったせい。
途中でビアンキショップ寄ってスペシャリッシマ試走しちゃおうかな?とか考えてたけどまあお察し。
朝から天気が怪しかったけど雨に降られびしょびしょに。
東京着いたときはテンションは地底に沈んでた。

何とか千葉に着いたけどクソ天気良くてピーカン。
そういえば夏だった。
でもチャリンコと全身泥だらけ。シクロ帰りか。
近くの公園で泥を落とし、家でシャワーを浴び泥のように眠った。
あんなに疲れたのは日帰りで鎌倉往復した以来だったな。

そんなこんなで初のヒルクライムは忘れられない思い出となった。
当初の目的であるケイデンスは別に低くなかった。
今となっては僕が兄に「ケイデンス低くない?」と言っている。